ヘッジホッグ、汗と涙のワーホリ物語 No. 7
「面接10分前」

3月26日早朝、天気は残念ながら小雨が降り続き、肌寒いと言う言葉がぴったりな夜明けだった。東京駅に着いた僕は早速、夜行バスから都内地下鉄に乗り換えて御所を向かいにした英国大使館へ向かった。

10分から15分といったところだろうか。思っていたよりもとても早く着き、結局は時間を持て余すことになってしまった。これは一部の旅行者がよく陥りがちなパターンである。知らないところだからということから「集合予定時間プラス2時間」。そして2時間分早く家を出発して、当然の事ながら予想以上に早く着く。この手の旅行者は早く着きすぎても何もやる事ないから(というより、知らないところだから何もやりようがないのだが)自然と意味もなくこの付近の探索を開始する。今度
来る事はきっとないのだろうが。そして、行動範囲もあまり遠くに行って道に迷うのを恐れて人によって個人差はあるが目的地から範囲2キロ以内をぐるぐると回り始める。北方面に向かって進んで、これ以上行ったら戻れなくなっちゃうかもと、目的地に戻り始めて目的地に近づく頃には今度は東方面を探検しようといった具合に歩き回る。ある程度して疲れだすと、そのへんの喫茶店でお茶でもとって一服する。ここでくつろいでいると、大体時間が近づいてきて、持て余した時間を有意義に使った満足感いっぱいで目的地に戻る。この日のぼくは、南と西に進み、スターバックスでコーヒーと軽い朝食をとった。店内から日テレのズームイン朝のお天気の中継をしてるのが見えて、雨の中ご苦労な事だ、と感心しながら値段の割に口に合わないサンドイッチを飲みこむように食べた。こんなことなら、コンビニエンスストアーでインスタントラーメンと牛乳だったなぁと、カルシウムで体に良いようで実はインスタントで体に良くないこの無意味な取り合わせにまったく気づかずに、ただただ値段面で後悔をした。

集合時間30分前になったので、大使館前の正門で待っているとぞろぞろと数人の女の子がやってきた。彼女らも今回のワーホリの審査が通った子達で僕のように面接を受けに来たのである。

そして、ついに大使館の門をくぐる時間がきた。守衛の男の人が、緊張を解すかのように大丈夫ですから、と一言みんなに声をかけてくれた。その男性に連れられて僕らは面接会場にむかうのだった。                   
                
つづく



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