ヘッジホッグ、汗と涙のワーホリ物語 No. 27
「新しい仕事探し」

相変わらずの学校へ行き、ジレットのオフィスを掃除する生活から約2ヶ月が経った。しかし、食費と生活費で丸っと消えてしまい、学費まで払える事が出来ないという状態で生活は一向に良くならなかった。

新しい仕事をもう1つ増やすにも、午後からの授業と夕方からのクリ―ナ―を考えると午前中に働けられるところになるため、そうなってくるとそう簡単に見つけられないものである。というのも、飲食業(例えば、日本料理レストラン)だと、どうして
もランチタイムもしくはディナータイムに人が必要とされるので不可能である。では、同じく清掃業だとどうであろう。やはり前回あったヒースロー空港で経験したように自ら面接に行っても採用されるというのは難しいだろう。英人でさえ失業者がい
るのに、外からやって来た者に仕事を簡単に与えてくれるとは思えない。もし、美容師や旅行関係の資格、経験などがあるならそっちの関係の仕事は得易いのだが。

では、他にというとセントラルロンドン(ロンドン中心地)に日本食ショップとなるが、そこまで行くのに時間がかかり学校に行けなくなってしまう。

そうすると、残された選択は2つになる。1つは、近くのマクドナルド、BK(バーガーキング)、またはKFC(ケンタッキーフライドチキン)といった、ファーストフードショップで働く事である。仕事は、客の言われたとおりに商品を出すだけなのでいろいろの国の学生も仕事は得易い。しかし、賃金が安く、仕事内容が単調の為退屈だとマクドナルドで働いていたブラジル人の友達が言っていたのを聞いた事がある。

もう1つはこの間、ブラジル人ウォルターに紹介されてジッレトで仕事を得たように、人づてで仕事を得る方法である。とはいえ、こればかりはどれだけ友達がいたとしても駄目である。運も必要となってくるからである。

そうなってくると、僕の場合、我慢してファ―ストフードショップに働くのが手っ取り早そうである。では、どこのファーストフードにしようか考えてみたが、日本で昔KFCを働いた経験があるのでもうこれ以上働きたくない。残るはマクドかBKだが、チップス(フライドポテト)を比べると個人的にマックよりBK派なので、BKにしようと思った。が、よく考えればルームメイトのヨンジンはBKで働いている。
なにやら、絵が頭に浮かんできた。それは、二人でBK話で盛り上がっているものであった。なんか......と思えてきて結局、お隣の酒飲み友達ジンハーンに何か良いアイデアが無いか聞きに行く事にした。

「オッス、ヒロ。」
家のドアを開けるとジンハーンはいつものように隣の家の前でタバコをくわえていた。僕は、世間話を少し交えながら、「ところで、ジンハーン。実は今、ジレットの他にもう1つ仕事をしようと思って探しているんだが......」
「ヒロ!」
ジンハーンは突然タバコの火を消し、こっちを振り向いた。
「ヒロ。覚えてるだろ?僕が言ったこと。ヒロが来た当初、もし仕事が見つからなかったら6月中に僕は仕事を辞めるからその仕事をやると。そして、6月になった今、僕は仕事を来週で辞めるつもりなんだ。そう、ヒロ。君に仕事を紹介する事が出
来るよ!」
僕はまさかジンハーンからそんな友達からの口コミという、とても安易な仕事を手に入れられる情報をもられるとは思ってなくて、開いた口が閉まらなくなってしまった。
「明日時間はあるかい、ヒロ?今働いているホテルのレストランのマネジャーが早急に人が欲しいといってるから。どうだい?」
「もちろん!」
僕はうれしそうに答えた。

そして、明くる日、ジンハーンと僕に、もう一人仕事を探しているひょうきんなキョンシといっしょにパスポートをお互い持ってそのマネジャーに会いに行くことした。しかし予想とは裏腹に、そこには思わぬ出来事が待っていたのである。
                             
つづく

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