ヘッジホッグ、汗と涙のワーホリ物語 No. 16
「仕事なき闘い」
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午前中に学校を済ませた僕はジンハーンの知っている"job center"(こちらで言う職安)へ一緒に向った。ある程度大きな街にはどこでも、この"job center"というものがあり、毎日多くの人達が通っているようである。この国も失業者という問題が深刻であることを物語っている。 中に入ると数台のコンピュータが備え付けてあり、各自で好きな業種を調べられる。さらにロケーション、週何時間などを選択して仕事が絞られていく。今回、どこかの掃除屋さんをやろうと思っていて探したのだが、意外にその数の少なさに驚いた。2、3個ピックアップしてプリントアウトした後、窓口に持っていくと、 名前を書く欄には、もうすでに8人くらいの名前が書かれてあって、その横の欄にだいたいこの時間に呼ばれるであろうという時間が表示されてあった。待つ事20分くらいで僕の名前が呼ばれた。コンピュータの前に座っている女性と男性の方へ連れていかれて、その向いの椅子に座らされた。女性の方はこちらもインド系のようで、男性はイギリス系の顔立ちをしていた。さっそく、名前と住所、電話番号をきかれ、女性は男性の指示に従いながらコンピュータに登録していた。どうやら、彼女は入社間もない様である。 とりあえず、時間の割に金になる仕事をと思い、 帰り際、ベテランであろう男性が 待合室に戻ると、ジンハーンはグーグーと鼾を掻きながらぐっすり寝ていた。彼は毎週末、ホテルのレストランのシェフとして朝から晩まで働いているので疲れているのであろうと思った。こういった生徒は沢山いる。毎朝5時からスーパーの清掃業をしていたり、マクドナルドなどファーストフードショップのモーニングセットを作っていたり、真夜のバーのバーテンしていたりしながら、昼間学校に行く。ほんとうにみんなよくやっていると関心してしまう。しかし、自分も同じ事をしなければ生活できないので、他人を関心している暇はないのだが。 1週間がたった。未だに道路掃除の会社からの連絡がない。どうも落ちてしまったようだ。最後の望みのヒースローの面接に行ったが、その人の多さにビックリしてしまった。8ページ程度の冊子をもらい、自分に関することを記述していったがその項目の多いこと。過去の学歴、職歴からその当時の給料、会社名、その住所とボスの名前まで。それを仕上げると、やっと面接にありつけれたが、面接官の男性が言うには と、いわれても5年もイギリスに住んでいないから答え様がない。パスポートのビザを見せながら 仕事を就く事の大変さに気付いたとしても、とにかくあたって砕けろでどんどん面接に挑戦するしかない、と思いそれから2週間がんばったが、ダメなものはダメだった。いきなり現れた大きな壁に悪戦苦闘しながらワーホリという貴重な時間はどんどん虫食むように食いつぶされていった。 つづく |