ヘッジホッグ、汗と涙のワーホリ物語 No. 11
「あの頃は」
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何気に左手にしている腕時計に目をやった。「まだ、8時か......。」 もうここ、サウスホールの語学学校の前で1時間近く座って待っている。相変わらず風が身にしみる。希望的観測から9時になれば学校関係者が来てくれるだろうと思って待っているが、もしこなかったら、と考えるとこの時間は一体何だろうと思えてきた。いや、もしもの話をしても仕方がない。ただ今は、ここに誰かがやってくるのを信じて待っているだけだ。 学校の前の歩道を金色と紺色のアースナル(ロンドンのフットボールチーム)のユニホームを着たインド人が歩いている。今度は、白のターバンを頭に巻いたインド人が上下ナイキのスポーツウェアでジョギングをしている。さらに、紫色のターバンをしたインド人が一生懸命に自転車をこいで僕の前を通りすぎた。 いろいろ人間観察をして自分なりに想像力を働かせて楽しんでみたが、いっこうに時間がたたない。時間がたつのは遅いものだ。つくづく大学時代、講義中に思い知らされたが、今また思い知らされるとは。 さすがに4日目のインバネスでの出来事は今でも鮮明に覚えている。エジンバラから夕方、4時間かけてコーチで向かったんだが、着いたら当然夜9時でホテル探すにも地図はないわ、ツアーインフォメーションも閉まっているし、真っ暗で野宿するにはこの時期は寒すぎるし、どうしようもなく歩き回ってやっと見つけたユースホステルも空き部屋無しという事でそれから1時間たってネス湖方面に向かう途中、大きなホテルを見つけさっそく空き部屋があるか確認したところ、彼女が言うには「あなたはラッキーだわ。本日最後の部屋よ。」と。それで連れてかれた部屋の狭いわ、テレビは写らないわ、シャワーは出ないわ。それでも料金£40。明くる日文句を言ったものの、「あらっ、ごめんなさい。」の一言。こっちも呆れて泊れたし、もういいやと思ってしまって何も言い返さなかった。しかし、無茶をしたものだ。考えてみれば今回も無茶してるよなぁ。成長していない証拠だな。) そうこう考えてる内に、時間は8時半になった。すると一台の車が停まり校長のボイドが僕に気付いて近づいてきた。彼に事情を説明するとアコマデーション担当のウェンディーが来るまで中のソファーで待ちなさいと中に入れてくれた。そのソファーの気持ち良いこと。ウトウトしていると寝てしまっていた。気付くとウェンディーが僕の前に立っていた。(やったぁ、出会ったぁ!!) 喜びに打ちひしがれている僕の気持ちとは裏腹に彼女は冷静に一言。 つづく |