ヘッジホッグ、汗と涙のワーホリ物語 No. 10
「イギリスのボンベイ」
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4月3日早朝、螺旋階段のように大きくぐるぐると回りながら、僕の乗っていた飛行機はヒースロー空港の上空から降りていった。この空港はこういった形で多いときには1分間隔で飛行機が着陸している。 まだ、身にしみる寒さが残り、息を吐くと白く、去年のイギリスと何一つ変わっていなかった。またここに戻ってきたんだ。昨年2月、どきどきしながらこの地に訪れたのを今も鮮明に覚えている。あの時はUK-Jのトシさんにケンブリッジに行くためにコーチステーション(コーチとは長距離バスのこと)まで連れてってもらった。しかし、今は一人で僕が向かうべく語学学校までのバス乗り場まで行くことができる。何か、ちょっと新鮮さに欠けてしまって、知りすぎるのも面白くない気がした。 空港からイギリスでおなじみのダブルデッキバス(二階建てバス)105番に乗って、語学学校のあるサウスホールへ向かった。バスから見る風景に懐かしさを覚え、やや感奮気味になっていた。この通りにある2つのマクドナルド、学生の味方テスコ(食料品、雑貨品センター)など全て見覚えのある建物だった。ちょうど崩れそうな教会が見えてきた。ここが僕が愛する学校である。見かけどおり中も、ボロボロで昨年の12月頃は寒くて厚着をしていないとまともに授業を受けることなどできなかった。しかし、そんな粗末さがなにか自分の中で大ヒットして、またここに戻ってきてしまったのだ。 ロンドンの街中や郊外にいくともっときれいな学校があるのかもしれないが、この地はロンドンやイギリスの田舎では味あえない雰囲気、匂いと臭い?がある。ここサウスホールは別名イギリスのボンベイである。インド、バングラディッシュにパキスタンの人たちがこの町に住み独自の文化を作り上げて生活している。平気で狭い道に路上駐車するので大迷惑な交通渋滞になるし、町にはカレーの臭いがプンプンしている。服屋のショーウィンドウにはインドの女性が身に纏う衣装を着たマネキンがインドの踊りのようなポーズをして飾ってある。 今年の春、こちらで上映された映画”Bent it like Beckham"はこの町が舞台となっている。日本でもワールドカップで騒がれたイングランドキャプテン、べッカムに憧れる主人公のインド人の女の子が女子サッカーチームに所属するのだが、女の子らしくなってほしいと願う両親は大反対をする。親には内緒でサッカーを続ける彼女は、だんだんとこのチームの監督のイギリス人男性と恋に落ちていく。それを知った彼らは大激怒する。イギリスとインド互いの文化の違いから引き起こすスポーツコメディである。もし、機会があったら見てほしい、とても面白い作品である。また、この町には大きな映画館がある。世界でハリウッドについで2番目の年間映画製作量を誇るインドのボリウッド作品がこの映画館で見ることができる。いまだに、足を運んだことはないが、ポップコーンの代わりにナムを食べながら映画を見ているかも? 以前、インドの旅行ガイド誌を読んだことがある。そこにはこう謳われていた。”交通渋滞から引き起こす車の排気ガスとカレーの臭いのまざりあった香りがする街、それがインドのボンベイである”。そう、まさしくここはもう一つのボンベイである。 つづく |